俺たちの豪己!2度目の王座、初防衛戦!「WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT Vol.18」観戦レポート!
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俺たちの豪己!2度目の王座、初防衛戦!「WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT Vol.18」観戦レポート!

2024.06.24 18:00

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6月23日開催のボクシング「第18回WHO'S NEXT」は、WBOアジアパシフィックミニマム級タイトルマッチ「小林豪己VSジョセフ スマボン」がメインイベントで行われた。

小林豪己が、真正ジムの誇りをかけて、ジムメイトのWBOアジアパシフィックスーパーフライ級王者の大橋哲朗、そして今は亡き穴口一輝と共に初防衛戦のリングに上がる!

そして同じ真正ジムからは、元WBO世界ミニマム級王者の山中竜也の再起戦もセミファイナルに!また、スーパーフライ級の倒し屋、田井宜広の試合も見逃せない!

本記事では、“熱烈ボクシング応援団”目線での観戦レポートと対戦結果をお届け!

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メインイベント 第5試合:10R/WBOアジアパシフィックミニマム級タイトルマッチ

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〇小林 豪己(真正)vs ×ジョセフ スマボン(比)判定3-0

WBOアジアパシフィックミニマム級王者の小林豪己は、WBC9位、IBF6位、WBO9位、OPBF5位。最軽量のミニマム級とは思えないハードパンチ、卓越した防御技術、そして冷静な判断力を持ち合わせた、若き“エル・フィニート”。特に、レバーを抉りこむボディから、顔面に返す左のダブルは一級品。もちろん右ストレートも上下自在に打ち分ける。昨年8月、ジェイク・アンパロに判定で初黒星を喫し手放したタイトルを、今年2月の王座決定戦に勝利し奪還。敗戦を糧に目の前の試合に集中し、第2次王権の初防衛戦に臨む。狙うのは当然KO勝利!

挑戦者のジョセフ・スマボンは、WBOアジアパシフィックミニマム級4位。左右フックの回転力を活かした乱打戦で、これまで全勝。一発の破壊力より手数で押し込むサウスポーのファイター。これまで、攻撃を最大の防御としたスタイルで連勝を続けてきたが、タイトルマッチ挑戦の舞台で、ハイレベルな防御技術が試される。

試合は1回、スマボンの突進をはぐらかすように、小林はアウトボクシングで試合をコントロール。2回、スマボンはダブルジャブで間合いを詰めると左右フックを振り回し、攻勢を強める。小林も右ボディ、右アッパーで対抗するが拮抗したらラウンド。

3回、小林は左右ボディブローから右ストレートに繋げる得意のボクシングで、スマボンを寄せ付けない。4回以降、小林が優勢なラウンドが続き、ボディを叩かれ続けているスマボンは徐々に手数が減る。5回には、鼻血の影響か急激にスタミナが落ちたように見える。

そして8回、このままではジリ貧になると感じたスマボンは、ギアを上げて先制攻撃を仕掛ける。しかし、小林は冷静にパンチを外すと、失速したスマボンをボディからアッパーに繋げるコンビネーションで突き放す。

しかし9回、これまでスマボンの攻撃を完封していた小林だったが、スマボンの左オーバーハンドを被弾!グラつきを見せた小林に、息を吹き返したスマボンが猛攻を仕掛ける!小林はなんとかクリンチで凌いだが、あと一発貰っていたら危ないシーンだった。

そして最終10回、一発逆転を狙うスマボンは左フック、右ストレートを強振するが、ディフェンスに徹した小林を崩せず。ポイントは取ることが出来たが、倒すことは出来なかった。判定は、小林が3-0で勝利!序盤のリードを守り切り、ピンチを乗り越えた!

小林豪己選手、笑顔のない初防衛となってしまったが、ここが試練の時なのだと思う。1つの敗戦から再起し、王座にも返り咲いたのは間違いなく小林選手の実力。かつての“自信”を取り戻したら、もう誰にも止められない!

セミファイナル 第4試合:8R/フライ級

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×プリワ タオスワン(タイ)vs 〇山中 竜也(真正)2回KO

山中竜也は、元WBO世界ミニマム級王者で、現在はOPBFライトフライ級9位。頭蓋内出血が認められ一度は引退するも、ルールが改正され現役復帰。ダブル、トリプルとリズミカルに出すジャブと小刻みなフットワーク、絶妙なポジショニングで、打たせずに打つ技巧派ボクサー。昨年5月、階級を上げWBOアジアパシフィックライトフライ級王座獲得も、12月の初防衛戦で、ジェイソン・バイソンにまさかの2回TKO負け。今回、更に階級を上げ、フライ級での再起戦となる。持ち前のハイテンポなボクシングで突き放し、圧倒的な勝利での復活に期待したい。

プリワ・タオスワンは、2019年プロデビュー。デビューから4連敗も、2023年以降は5連勝。

1回、山中は小刻みにリズムを取りながら、ジャブ、ワンツーでタオスワンを追い回す。アップライトに構えたタオスワンは、山中の打ち終わりにパンチを返すが、下がりながらかつ、腰高のために威力は感じられない。2回、山中はリードジャブで距離を測ると右ストレートを放ちロープを背負わせると、ワンツーから左ボディ2発を繰り出し、流れるようなコンビネーションをまとめると、タオスワンはあっけなくリングにうずくまり、レフェリーは10カウントを数え上げた。

山中竜也選手、再起戦を圧倒的勝利で飾り、最初のハードルは難なくクリアした。引退も考えた中での再起戦だっただけに、一試合、一試合がラストマッチのような重みがある。しかし、山中選手を世界チャンピオンにしたボクシング技術は、まだまだ健在だ。

第3試合:8R/スーパーフライ級

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〇田井 宜広(RST)vs ×ジャクパン サントン(比)1回KO

田井宜広は、WBOスーパーフライ級9位、WBOアジアパシフィック10位。今年1月、日本ボクシングコミッション非公認のWBOオリエンタル王座を獲得し世界ランク入り。およそアマチュア出身とは思えない、まるでナジーム・ハメドのような変則的なボクシング。時にノーガードで自由にスイッチを繰り返し、想定外のパンチでKO勝利を連発する。

ジャクパン・サントンは、これまで6度の来日経験があり、敗れはしたが山内涼太選手、白石聖選手と対戦したこともあるタイのベテラン。スピードや回転力はないが、アップライトに構え、独特のタイミングで打ち込む右ストレート、いわゆるドスンパンチで現在3連勝中。

試合は、田井の独壇場となり、わずか57秒で決着する!サウスポースタイルでスタートした田井は、間合いを取るとオーソドックスにスイッチ。左ジャブ2発で煽ると、右ボディストレートで散らし、顔面に左フックを返しヒット!すかさずアングルを変えて、もう一度左フックを打ち込むと、サントンは堪らず尻もちをつき最初のダウン!全く想定外だったのか、もろに食らったパンチに会場はどよめく。再開後、至って冷静な田井は、オーソドックスから軽くワンツー、そして続けざまに左ストレートを打ち抜くと、サントンは糸の切れたマリオネットのように崩れ落ちた!わずか57秒のKO劇!

田井宜広選手、ノックアウト・オブ・ザ・イヤーにも選ばれそうなインパクトのある勝利で強烈に存在感をアピールした!スーパーフライ級の異端児が、井岡一翔、田中恒成が君臨するメインストリームに割って入る日が楽しみだ!

第2試合:6R/フライ級

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〇森本 竜馬(KWORLD3)vs ×清水 翔太(TOUGH BOY)判定3-0

森本竜馬は、2021年11月プロデビュー。デビュー戦こそ判定で敗れはしたものの、その後は6連勝。しかも、ここ3戦は1回KO勝利と勢いに乗る。左ボディから右ストレートの強打を返すパワフルなコンビネーションで、4連続1回KO勝利になるか、ゴングが鳴ったら目を離せない。

清水翔太は、2018年9月にプロデビュー。ガードを固めアグレッシブにプレッシャーをかけるボクサーファイター。接近戦での豊富な手数でダメージを与え、6回フルに戦い切り、判定に持ち込みたい。

1回、4連続初回KO勝利が期待される森本は、鋭いジャブと上下を打ち分けるコンビネーションで有効打を集めるが、清水は右ストレートを警戒し決定打を許さない。初回KOならず!2回、ジャブを出しながらプレッシャーをかけて前に出るのは清水。森本は、そのジャブの帰り際に右ストレートを狙う。そして、顔面への攻撃の後には、必ずボディも叩く森本のコンビネーションが目立った。3回、タフでしぶとい清水の接近戦を嫌ったのか、森本はアウトボクシングを展開。清水の攻撃を空転させ、ヒット・アンド・アウェイでポイントを稼ぐ。4回、森本は再び足を止めての打ち合いに転じる。頭を付けての打ち合いで、清水は顔面へのアッパー、森本はボディを中心に打ち合う。森本のいいパンチが当たっているが、清水は一歩も引かないタフネスを見せた。5回、やや打ち疲れの森本は、明らかに手数が減ったが、逆に清水は初回から同じペースを崩さない。むしろ、ペースアップしている!集中力が切れかけた森本に右ストレートをクリーンヒット!今までは、かわされていたパンチが面白いように当たる。ここは清水が明確に取ったラウンドで、最終回に試合がひっくり返る期待が高まる。そして最終6回、森本は回転力のある軽打を、清水は力の込めた左右アッパーを打ち合うが、お互いに決定打を打ち込めずに試合は終了。森本が大差の判定勝利を手にした。

森本竜馬選手、これまで1回KO勝利が多かったので、長丁場の試合は久しぶりだった。後半に失速したかと思われたが、パンチの打ち方を変えて乗り切った。まさにクレバーなボクシング!

清水翔太選手、TOUGH BOYジムきってのタフボーイぶりを遺憾なく発揮した試合。判定では大差が付いたが、数字以上に拮抗した内容だった。フルラウンド戦い抜いたことに大きな価値があった!

第1試合:4R/東日本新人王予選フェザー級

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〇豊永 太我(Woz)vs ×畑尾 悠宇(大成)判定3-0

豊永太我は、これがデビュー戦の18歳。今年3月にプロテストに合格し、現役高校生プロボクサーとなる。リーチを活かしたボクシングを展開したい。

対する畑尾悠宇は、2024年4月プロデビュー。ワンツーを主体とした回転力のある連打、豊富な手数が特徴的な右ボクサーファイター。時折織り交ぜるコンパクトなアッパーが効果的。前に出るボクシングで試合を支配したい。

試合は1回、豊永の先制攻撃から始まる。リーチを活かしたロングレンジの左右フック、ガードを回り込み左ボディを叩きつけて、優勢に試合を進める。続く2回、畑尾は大振りの豊永に、右ストレートのカウンターを合わせ巻き返す。3回、豊永は手数を増やし、再び左右フックでプレッシャーをかけ続ける。最終4回、これまでリードしていると思われる豊永は、見るからに疲労困憊。しかし、歯を食いしばるようにパンチを振り続ける。畑尾は、得意の右ストレートを打ち込みたいが、豊永の止まらない手数に押し切られた。

判定の結果は、3-0で豊永の勝利!高校生プロボクサーが、デビュー戦を勝利で飾った。

豊永太我選手、4ラウンドを全力疾走で走り抜けたような勝利。疲労がピークの中でも、最後まで手数を出し続けた事は、自分自身にも勝利したと言える!

畑尾悠宇選手、大成ジムの先輩である加納陸選手が見守る中、2連勝とはならなかった。大振りをしてくる相手に、コンパクトなパンチをもっと当てたかった。

今大会では、真正ジムの選手、スタッフたちの強いチームワークを感じることが出来た。リングで戦うのは一人でも、その後ろには多くの仲間の支えがある。小林豪己選手が勝利者インタビューの時に語った言葉に強く感銘を受けた。次は、笑顔で勝ち名のりを受ける事を期待する。その時、初めて“俺たちの豪己”が帰ってきた!と言えるのでは。

また、豪快な秒殺KOで会場を沸かせた、RSTジムの田井宜広選手!ボクシングの教科書には決して載っていない独自のスタイルが魅力的。田井選手しか出来ないであろうボクシングが、どこまで通用するのか?センセーショナルを起こす予感しかない!これは見逃し配信でチェック!

次回7月6日の『WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT vol.19』は、スーパーフライ級世界前哨戦のリングに立つ岩田翔吉をはじめ、村田昴、高見享介、金子虎旦らの豪華ラインナップ!次世代ホープの熱い試合を後楽園ホールからライブ配信!お楽しみに!


U-NEXTでは、今回レポートした『WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT vol.18』を2024年7月14日まで配信中!

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